マンションの排水管、高圧洗浄はどのくらいの頻度でやるべき?

マンションを管理されていると、「排水管の高圧洗浄は何年に1回やればいいのか」という判断を求められる場面があります。管理組合様から聞かれることもあれば、長期修繕計画を組むうえで根拠が必要になることもあると思います。
先にお伝えすると、目安は1〜2年に1回です。飲食店が入っている建物や、排水量の多い施設では6か月〜1年に1回。ただしこれはあくまで出発点で、同じ築年数のマンションでも、世帯数や使われ方によって汚れの溜まり方は変わります。
株式会社MITUYOSIの池田です。埼玉県越谷市を拠点に、マンション・ビル・店舗の排水設備の調査から工事までを行っています。この記事では、洗浄の間隔をどう決めればよいのか、その判断材料と、実際にかかる費用をご説明します。
目安は1〜2年に1回。飲食店が入る建物は6か月〜1年
当社が管理会社様・オーナー様にお伝えしている目安は、次のとおりです。
- 一般的なマンション・集合住宅 1〜2年に1回
- 飲食店が入っている建物、排水量の多い施設 6か月〜1年に1回
飲食店が入る建物で間隔が短くなるのは、厨房から出る油分の量が住戸とは桁違いだからです。油は冷えると管の内側に固まって付着し、そこに他の汚れが引っかかって層になっていきます。住戸だけの建物と同じ間隔で考えていると、想定より早く症状が出ます。
ただ、この年数どおりに進めれば必ず安心かというと、そうとも言い切れません。排水管の中に汚れが溜まる速さは、建物によってまったく違うからです。同じ年に建てられた同じ規模のマンションでも、数年で流れが悪くなる建物と、長く問題が出ない建物があります。
差を生むのは、主に次の点です。
- 世帯数と、実際に住まわれている人数
- 各住戸での油の使い方(自炊の頻度が高いほど、厨房排水に油分が多く入ります)
- 配管の材質と、施工されたときの勾配(傾き)
- 共用部分の排水がどのように合流しているか
- これまでの清掃の履歴
ですので、1〜2年という目安を出発点にして、その建物の実際の状態を見ながら間隔を調整していく、という進め方をおすすめしています。年数だけで機械的に決めてしまうと、まだ必要のない建物で費用がかかり、本当に必要な建物では手遅れになる、ということが起こります。
当社では、初めてお伺いする建物では、まず管の中がいまどうなっているかを確認するところから始めています。
洗浄の間隔を決める4つの材料
1. 管の中に、いまどれくらい汚れが付いているか
管内カメラで内部を撮影すれば、汚れの厚みが目で見て分かります。前回の洗浄からどのくらいの期間でどこまで溜まったかが分かれば、次の間隔を組み立てられます。ここが最も確かな材料です。

2. 詰まりや流れの悪さが、どのくらいの頻度で起きているか
入居者様からの申し出が年に何件あるか、同じ住戸から繰り返し出ていないか。記録が残っていれば、それ自体が建物からのサインになります。申し出が増えてきた時期は、洗浄の間隔を詰めるべき時期と重なります。
3. 建物の使われ方
ファミリー世帯が多い建物では、厨房から出る油分の量が増えます。1階に飲食店が入っている建物では、店舗の排水が共用管に合流する位置から下流で、汚れが溜まりやすくなります。
4. 前回の洗浄で、どこまで落とせていたか
洗浄にもやり方があります。前回どの範囲をどの方法で洗ったのかが分かると、次に必要な作業の範囲を判断できます。作業報告書が残っていれば、この判断がしやすくなります。
そろそろ洗浄したほうがよいサイン
次のような状態が出てきたら、間隔を待たずに一度確認することをおすすめします。
- 洗面台や浴室の水が引くのが、以前より遅い
- 排水口から臭いが上がってくる
- 水を流したときに、ゴボゴボという音がする
- 同じ住戸から、繰り返し詰まりの申し出が出ている
- 低層階でだけ、流れの悪さが出ている

最後の項目は特に注意が必要です。上の階で流したものが下流で滞っている可能性があり、そのまま放置すると、逆流という形で被害が出ることがあります。
高圧洗浄で落とせるもの、落とせないもの
高圧洗浄と一口に言っても、落とせるものと落とせないものがあります。ここを分けて理解しておくと、業者からの提案が建物の状態に合っているかどうかを判断しやすくなります。
落とせるもの
管の内側に付着した油分やヘドロ、石けんかす、髪の毛が絡んだ塊。これらは水の力で削り落とせます。長年かけて層になったものも、厚みと範囲によっては落としきれます。定期的な洗浄で対象になるのは、主にこの部分です。
落としきれないもの
管そのものが腐食して内側が荒れている場合、表面のざらつきまでは戻せません。ざらついた面には再び汚れが付きやすく、同じ間隔で洗っていても、以前より早く症状が出るようになります。
洗浄では解決しないもの
配管の勾配が不足している場合、詰まりの原因は汚れではなく傾きです。洗ってもまた同じ場所に溜まります。屋外の埋設管に木の根が入り込んでいる場合も同じで、根を取り除いたうえで侵入している箇所に手を入れなければ、時間が経てば戻ります。
何度洗浄しても同じ場所で症状が出る建物では、洗浄の間隔を詰めるより先に、原因を確認したほうが早く解決します。当社が管内カメラでの調査をおすすめしているのは、この見極めのためです。
洗浄を先延ばしにすると、どうなるか
予算の都合で先送りになることは実際にあります。ただ、先送りには段階があり、進むほど選べる手が減っていきます。
- 流れが遅くなる この段階であれば、洗浄で戻ります。
- 特定の住戸で詰まりが起きる 個別対応が増え、そのたびに費用と手間が発生します。
- 低層階で逆流が起きる 汚水があふれると、清掃だけでなく原状回復の対応も必要になります。
- 管の劣化が進む 洗浄では戻せなくなり、改修や更新の検討に入ります。
1と2の段階で対応できれば、費用は洗浄の範囲に収まります。3まで進むと、被害を受けた部分の対応が加わり、入居者様への説明も重くなります。4に至れば、金額の桁が変わります。
定期的な洗浄にかける費用は、この段階を先に進ませないためのものだと考えていただくと、位置づけがはっきりします。
実際にかかった費用の例
越谷市のマンションで、45世帯の共用排水管を全管高圧洗浄したときの費用は420,750円でした。全戸分をまとめて行った場合の金額です。
この金額を高いと見るか安いと見るかは、比べる相手によります。詰まりが起きてから個別に対応を繰り返した場合、1回あたりの金額は小さくても、回数が重なれば相応の額になります。さらに、入居者様への影響や、管理される側の手間もそのたびに発生します。
定期的に行う洗浄は、その回数と手間をあらかじめ減らしておくための費用だと考えていただくと、計画に組み込みやすくなります。
地域によって違う、建物の傾向
当社は越谷市に本店を置き、越谷市・さいたま市・川口市・草加市・春日部市をはじめとする埼玉県全域、東京都(足立区・葛飾区・江戸川区・北区・荒川区ほか)、群馬県を主なエリアとして伺っています。
埼玉県東部(越谷市・草加市・春日部市など)
中小規模の集合住宅が多い地域です。当社が伺う建物でも、築20年を超えたマンションやアパートのご相談が目立ちます。管理会社様が複数の物件をまとめて管理されていることも多く、1棟で状態を確認したうえで、同じ時期に建てられた他の物件も見ておきたい、というご相談につながることがあります。
さいたま市・川口市など
世帯数の多い建物が増えます。全戸の洗浄となると、日程を分けて進めることになります。入居者様への告知や在宅のお願いも必要になるため、計画の段階から日程に余裕を持たせておくと進めやすくなります。
東京都東部(足立区・葛飾区・江戸川区・北区・荒川区など)
1階に店舗が入っている建物が多い地域です。店舗の排水が共用管に合流するため、住戸だけを見ていても原因にたどり着かないことがあります。店舗側の状況もあわせて確認します。
冬場に増えるご相談
冷え込みが強くなる時期は、凍結や配管の破裂に関するご相談が増えます。埼玉県北部や群馬県では特に注意が必要な時期です。この時期に慌てて対応するより、落ち着いた時期に状態を確認しておくほうが、選べる手が多くなります。
ご相談から作業までの流れ
初めてご相談いただく管理会社様・オーナー様に向けて、当社での進め方をご説明します。
- お問い合わせ 建物の規模、築年数、これまでの清掃履歴、いま出ている症状をお聞かせください。
- 現地の確認とお見積り 現地で状況を拝見します。お見積りと、対応エリア内の出張費は無料です。お見積りは現地調査のあと、1〜3営業日以内にお出しします。
- 調査 管内カメラで内部を撮影し、汚れの厚みと、滞りやすい箇所を確認します。
- ご提案 全管洗浄が必要か、範囲を絞れるかをご説明し、あわせて次回以降の間隔をご提案します。
- 日程の調整 世帯数が多い場合は日を分けます。入居者様への影響を抑えられるよう調整します。
- 作業 高圧洗浄を行います。
- 作業報告書のお渡し 写真と解説を入れた報告書をお渡しします。管理組合様の総会資料としてもお使いいただけます。
報告書の形式は報告書サンプル紹介のページでご確認いただけます。対応している作業の範囲はサービスのページに掲載しています。
費用はどのくらいかかるのか
建物の規模と作業の範囲で変わりますが、目安をお伝えします。
- 管内カメラ調査 3万円〜9.8万円
- 部分洗浄 8万円〜18万円
- 全管洗浄 15万円〜60万円
- 年間メンテナンス 5万円〜
定期的に洗浄を行う場合は、年間のメンテナンス契約という形もあります。排水管の定期洗浄、排水枡の清掃、管内カメラでの点検、設備の状態確認を、建物の規模と使われ方に合わせて組み立てます。1回ごとにお見積りを取る手間がなくなり、予算も立てやすくなります。施工の履歴が残っていくため、次に何をすべきかの判断もしやすくなります。中身は建物ごとに変わりますので、決まったパッケージがあるわけではありません。状況によっては別途費用をお願いすることもありますが、その場合も必ず着手の前にご説明します。
詳しい内訳は料金プランのページをご覧ください。作業中に想定外の不具合が見つかった場合も、必ず着手前に状況をご説明し、改めてお見積りをご提示します。お客様の許可なく作業を進めて、後から請求することはありません。
よくあるご質問
- 洗浄は何年に1回が目安ですか。
-
1〜2年に1回が目安です。飲食店が入っている建物や、排水量の多い施設では6か月〜1年に1回をおすすめしています。ただし建物の条件によって前後しますので、実際に管の中を確認したうえで、その建物に合った間隔をご提案しています。
- お見積りはどれくらいで出ますか。
-
現地調査のあと、1〜3営業日以内にお出しします。お急ぎの案件については、可能な限り当日中に対応いたします。
- 全戸を一度に洗浄しないといけませんか。
-
必ずしもそうではありません。調査の結果、汚れが集中している範囲が特定できれば、そこに絞って作業することもあります。全管で行うか範囲を絞るかは、調査の結果をご覧いただいたうえでご相談させてください。
- 入居者様への案内はどうすればよいですか。
-
作業日と作業内容が決まりましたら、告知に必要な内容をお伝えします。在宅のお願いが必要な範囲や、水が使えない時間帯についても、あらかじめご説明します。
- 作業中、水は使えなくなりますか。
-
作業する範囲と時間帯によって変わります。該当する住戸で一時的に使用を控えていただく時間が出ますので、日程を決める際にあわせてご説明します。
- 洗浄すれば、詰まりは必ず解消しますか。
-
汚れの堆積が原因であれば、洗浄で流れは戻ります。ただし、配管の勾配や管そのものの劣化が原因の場合は、洗浄だけでは解決しません。当社では作業の前に管内カメラで原因を確認し、洗浄で改善が見込めるかどうかをご説明したうえで進めています。
- 長期修繕計画に入れたいのですが、資料をもらえますか。
-
調査の結果をまとめた作業報告書をお渡ししています。現在の状態と、今後必要になる作業の見通しを写真つきでご確認いただけますので、計画を立てる際の資料としてお使いいただけます。
- 対応エリアの外ですが、依頼できますか。
-
主なご対応エリアは、埼玉県全域・東京都・群馬県です。このほか、神奈川県・千葉県西部・栃木県につきましても、ご依頼の内容によって対応できる場合がございます。遠方の場合は別途出張費が発生することがございますので、まずはお電話にてご相談ください。
まとめ
- 排水管の洗浄は1〜2年に1回が目安です。飲食店が入る建物や排水量の多い施設では6か月〜1年に1回。ただし世帯数、使われ方、配管の状態によって前後します。
- 判断の材料は、管の中の汚れの厚み、詰まりの申し出の頻度、建物の使われ方、前回の作業内容の4つです。
- 流れが遅い、臭いが上がる、低層階でだけ症状が出る、といったサインが出たら、間隔を待たずに確認してください。
洗浄の時期を決めかねている場合は、まず現在の状態を確認するところからご相談ください。当社は埼玉県全域・東京都・群馬県を中心に対応しております。神奈川県・千葉県西部・栃木県につきましても、内容によってご相談を承ります。
お見積り、および対応エリア内の出張費は無料です。お問い合わせフォーム、またはお電話(0120-545-511)よりお気軽にご相談ください。
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カメラ調査で、本当に必要かを確かめる方法
対応エリア
主なご対応エリアは次のとおりです。
- 埼玉県全域 越谷市・さいたま市・川口市・草加市・春日部市・行田市 ほか
- 東京都 足立区・葛飾区・江戸川区・北区・荒川区 ほか
- 群馬県
このほか、神奈川県・千葉県西部・栃木県につきましても、ご依頼の内容によって対応いたします。本店は埼玉県越谷市南荻島にあり、年内には3店舗体制となる予定です。

この記事を書いた人
池田 陸哉(いけだ りくや)
株式会社MITUYOSI 代表取締役
18歳で個人として開業し、2023年に株式会社MITUYOSIを設立。埼玉県越谷市を拠点に、マンション・ビル・店舗の排水設備の調査から工事までを行っています。
建築物排水管清掃業登録/産業廃棄物収集運搬業許可 会社概要はこちら
